薬剤投与後、数分で死亡 沼津市立病院で医療事故

沼津市立病院で男性看護師(28)が入院中の女性患者=当時(88)=への薬剤投与の方法を誤った医療事故で、後藤信昭院長は20日、記者会見し、女性が死亡したのは投与から数分後だったことを明らかにした。沼津署は業務上過失致死の疑いで捜査を始めている。
病院によると、事故が起きたのは10月3日。午後5時23分に男性看護師が、女性に「カリウム製剤」を投与するよう医師から指示を受けた。利尿剤の副作用などで不足した体内のカリウムを補う薬剤で、本来は希釈する必要があったにもかかわらず、希釈せずに同5時29分ごろ静脈に注入した。容体は急変し、駆け付けた医師が死亡を確認した。
男性看護師は採用2年目。これまでに複数回、別の患者にカリウム製剤を投与した経験があったという。現在は自宅謹慎している。
後藤院長は20日の市議会民生病院委員会で「市民の命を扱う病院としてあるまじき事故を起こした。信頼を大きく失墜させる結果となり、責任を感じる」と謝罪した。

出典:静岡新聞SBS

頭の中にドリルの破片2カ月 加古川医療センターで医療事故

兵庫県は20日、県立加古川医療センター(加古川市)で昨年9月下旬、くも膜下出血で搬送された神戸市内の60代女性への緊急手術で、頭蓋骨(ずがいこつ)を開く際に使用するドリルの付け替え刃の種類を間違え、折れた先端の破片(直径1・1ミリ、長さ約5ミリ)が頭の内部に約2カ月間残る医療事故があったと発表した。女性に後遺症はないという。

県病院局によると、執刀した男性医師は骨を切るための刃(直径2・3ミリ)ではなく、細い穴を開けるための刃で頭蓋骨を切ろうとし、まもなくミスに気付き、正しい刃に付け替えて手術を続けた。

女性に異常はなかったが、11月中旬、経過観察のため磁気共鳴画像装置(MRI)検査を行ったところ、頭蓋骨の内側に破片が付着しているのが判明。10日後に除去手術を行った。

病院局は、医師と女性看護師が使用前に刃の確認を怠った▽看護師が誤使用の刃をすぐに廃棄したため、破損に気付かなかった-の2点が原因と認定。同センターは事故にかかわった医師と看護師計4人に口頭で厳重注意を行った。

出典:産経WEST

「腸閉塞と気づかず」…医師が措置遅れ5千万円賠償 福岡・久留米の病院

福岡県久留米市の医療法人天神会「新古賀病院」で2009年、腹痛を訴えて入院した女性=当時(63)=が死亡したのは、医師の措置が遅く、適切でなかったためとして、夫(67)が約6880万円の損害賠償を求めた訴訟の判決で、福岡地裁久留米支部は4日、病院側に約5千万円の支払いを命じた。

判決で太田雅也裁判長は「腸閉塞の発症を疑わず、漫然と経過観察を続けた。速やかに措置をすれば救命することができた」と判断した。

判決によると、女性は09年4月6日に入院。8日夕に開腹手術を受けたが、18日に死亡した。

病院側は「判決文を見ていないので、コメントできない」としている。

出典:産経WEST

全死亡事例の報告義務化 厚生省が新承認要件

厚生労働省は28日、大学病院など高度医療を提供する「特定機能病院」の安全対策強化を目的とした新たな承認要件を取りまとめた。事故かどうかにかかわらず、患者の全死亡事例を院内の医療安全管理部門に報告するよう義務付けることが柱。必要に応じて検証を実施した上で、病院長への報告も求めている。病院と利害関係のない第三者が過半数を占める監査委員会の設置も規定した。

群馬大病院や東京女子医大病院で2014年に相次いで発覚した医療事故を受けた措置。

4月にも省令を改正し、現行の全国84カ所の特定機能病院には半年から2年の経過措置期間内に要件の順守を求める。年に1度の立ち入り検査や業務報告で実施状況を確認し、できない場合は国が承認を取り消す可能性もある。新たに承認を申請する病院はこれらの要件を満たすことが必要となる。

新要件は、診療行為との関連や予期の有無を問わず、院内で起きた全ての死亡事例について、死亡前の状況を含めて職員から医療安全管理部門へ報告させるよう定めた。ミスが疑われる事例などを見逃すことがないよう、組織として死亡事例を把握するのが狙い。各病院が必要と判断した場合は検証もするよう求めている。

また、これまで事実上、専従は看護師のみだった医療安全管理部門に、専従の医師と薬剤師を配置することも義務化。常勤で、就業時間の8割以上を安全業務に従事していることを原則とする。

出典:中國新聞

手術で消毒ミス、30代女性顔に腫れ 茨城・筑西市民病院

茨城県の筑西市民病院で2013年4月、30代女性の顔のほくろを取る手術で通常より高い濃度の消毒液を使うミスがあり、女性の顔が腫れる症状が出ていたことが31日、病院への取材で分かった。市は慰謝料や治療費など計約194万円を支払い、今年7月上旬に和解。その後、看護師ら3人を訓告処分とした。

病院によると、50代の女性看護師が手術前の消毒時、ボトルを取り違えて濃度が通常の400倍の消毒液を使ってしまった。後日、女性が経過観察のため来院し、主治医が顔の腫れに気付いた。

誤って使った液体は器具などの消毒に使うもので、通常の濃度の消毒液と同じ場所に置かれていた。看護師2人で消毒液を確認するよう定めている院内の安全対策マニュアルが守られていなかった。

女性は2年間通院し、薄いしみのような痕が残る程度に改善した。病院側は「職員研修などで再発防止を図る」としている。

出典:産経ニュース

政治評論家の本澤二郎さんが東芝病院を刑事告訴

東京都品川区の東芝病院で昨年4月、入院中の次男が死亡したのは病院側の過失が原因として、政治評論家の本澤二郎さん(69)が15日、同病院の男性院長や女性看護師ら計4人を業務上過失致死罪で警視庁大井署に刑事告訴した。

東芝病院は「通常の医療の範疇(はんちゅう)で、医療事故ではなかった」とコメントしている。

告訴状などによると、死亡したのは本澤さんの次男の正文さん=当時(40)。別の病院で脳手術を受けた後、植物状態となっていたが、昨年4月7日、誤嚥性(ごえんせい)肺炎の疑いで東芝病院に入院。午後7時40分ごろ、院内の個室で死亡しているのが見つかった。

死因は、たんがのどに詰まったことによる窒息死だったが、告訴状では、看護師が約1時間40分にわたって巡回に行かず、異常を知らせる警報装置などを取り付けていなかったことが原因と主張している。

出典:産経ニュース

食道がん治療2年5か月放置 県立中央病院で医療事故

新潟県立中央病院(上越市新南)は2015年5月22日、同市の80代男性が同病院で食道がんと診断されたにもかかわらず、約2年5か月間治療が行われていなかったと発表した。食道がんは進行し、男性はこの医療事故が判明した今年3月から入院している。

同病院によると、男性は2012年10月、喉の痛みなどを訴え受診し、下咽頭がんと診断され、耳鼻咽喉科に入院した。その際、胃や食道などへの併発を調べるため内科で内視鏡検査を実施した結果、食道がんが併発していることが判明した。

しかし、内科医は主治医である耳鼻科医に検査の結果食道がんが見付かったとは伝えず、さらに電子カルテの誤入力により、通常行われる複数の内科医による検査結果の最終確認も行われなかった。

食道がんの治療が行われないまま、下咽頭がんの治療を経て男性は2か月後に退院。今年3月になって、下咽頭がんの経過観察のためにCT検査を受けた際、食道がんの治療が行われていないことが判明した。

男性の下咽頭がんは再発の恐れが低い状態となったが、食道がんは進行し、近くのリンパ節への転移もみられるといい、入院治療が続けられている。

病院は今年4月に男性とその家族に謝罪した。記者会見した矢澤正知院長は「深くお詫びする。今後一層事故防止対策を強化し信頼を回復すべく努力する」と頭を下げ、電子カルテ誤入力防止のためのシステム改修などの再発防止策を説明した。

出典:上越タウンジャーナル

左脚まひ、和解協議へ 北九州市立医療センター /福岡

北九州市立医療センターは24日、同センターで頸椎(けいつい)椎間板(ついかんばん)ヘルニアの手術を受けた小倉北区に住む40歳代の男性会社員に左脚運動まひなどの障がいが出たと発表した。医療ミスとして今月4日に男性側に謝罪しており今後、和解に向けた協議を始めるという。

男性はヘルニアによって脊髄(せきずい)神経が圧迫され、左腕の運動まひなどを訴え、昨年3月に同センターで内視鏡手術を受けた。しかし従来の運動まひは改善せず、新たに左脚まひなどを発症した。その後の調査で、電気メスの熱で血を凝固させる際に、神経の一部が損傷した可能性があると分かり、医療ミスを認めた。【祝部幹雄】

出典:毎日新聞

胃瘻チューブ外れ患者死亡 新潟市民病院が医療ミス認め謝罪

新潟市民病院(新潟市中央区)は29日、同市の70代男性が、胃に穴を開けて栄養剤を入れる「胃ろう」の手術後、チューブが外れて、腹膜炎で死亡したと発表した。病院は医療ミスを認め、遺族に謝罪した。外部の専門家を交えて医療事故調査特別委員会を立ち上げ、検証結果を年内にもまとめたいとしている。

同病院によると、男性は脳出血のリハビリ中で、入院していた市内の民間病院から8月22日に市民病院に転院し、胃ろう手術を受けた。27日に民間病院に再転院したが31日、男性の胃ろうチューブが外れているのが発見された。男性は市民病院に救急搬送されたが同日、死亡した。

担当医が手術中、胃ろうチューブの先端につけたバルーン(風船)を拡張させる際に蒸留水を入れるべきところを、誤って空気を入れたためバルーンがしぼみ、チューブが抜けて栄養分を含んだ液体が漏れ、腹膜に広がったとみられる。担当医はチューブを使った手術は初めてだったが、取り扱い説明書を読まず、「空気でいいと考えた」と話したという。

市民病院は今月5日、調査結果で医療過誤と認識。9日、チューブが外れた原因について遺族に説明し謝罪。11日、江南署に報告した。

29日、市役所で開いた記者会見で、同病院の片柳憲雄院長は「マニュアルを作成、最新のものに更新するなど再発防止に努めたい」と謝罪。

今後、詳細な検証を行い、担当医の処分を検討するとともに、遺族から補償の求めがあれば応じる考えだとした。

出典:産経ニュース

鎮痛剤過剰投与 山梨大付属病院で医療ミス

山梨県の山梨大学医学部付属病院で13日、高齢の女性が鎮痛剤を静脈に過剰投与される医療ミスがあり、一時心肺が停止し、その後、蘇生したものの、今も危険な状態が続いていることが分かった。

山梨大学医学部付属病院によると、今月13日早朝、看護師が、入院していた高齢女性への鎮痛剤の投与を中止しようと、点滴の回路を外す操作をした。しかし、点滴は実際には中止されず、10分後に看護師が異常に気付いた際は、すでに患者の心肺が停止していた。患者はその後、蘇生したが、意識不明の危険な状況が続いているという。

病院は患者の家族に謝罪するとともに、22日夜に会見を開き、医療マニュアルの見直しなど再発防止策を示した。山梨大学医学部付属病院の島田真路院長は「患者、ご家族に大変申し訳なく、再発防止策に努めていく」としている。

出典:日テレNEWS24