国立成育医療研究センターで医療事故

独立行政法人国立成育医療研究センターは1月7日、小児がんの一種「神経芽腫」で入院中の1歳男児に移植する予定だった男児の末梢血幹細胞を、誤って別の4歳女児に移植する医療事故があったと発表した。

2013年12月18日に発生
事故が起こったのは2013年12月18日で、男児の血液から事前に採取した幹細胞を、この男児に移植する予定だったが、治療後、移植相手の間違いに気付いた。血液型は男児がO型、女児はA型だが、今のところ2人に大きな健康被害は見られないという。

男児には翌19日、改めて予備の幹細胞を移植する治療を行い、現時点で問題は起きていない。センターは両家族に経緯を説明し、謝罪。再発防止策としてバーコードを使った照合作業を導入したという。

国立成育医療研究センターは、こどもと家族の憲章を方針に掲げ、成育医療をおこなう場として、平成14年3月1日に開院。平成22年4月1日から、独立行政法人「国立成育医療研究センター病院」として改組された。(伊藤海)

▼外部リンク

独立行政法人国立成育医療研究センター お詫び
http://www.ncchd.go.jp/pdf/

出典:医療NEWS

腰椎の手術で医療事故 新潟市民病院

新潟市民病院は18日、腰椎の手術をした際に男性患者の尿管を傷つける医療事故が2014年にあったことを明らかにした。男性に約340万円を賠償することで合意し、新潟市議会2月定例会に関連議案を提出している。

同日開かれた市議会市民厚生常任委員会で病院側が報告した。報告によると、患者は阿賀野市の70代男性。腰部脊柱管狭窄(きょうさく)症のため、14年5月に同病院の整形外科で手術を受けた。だが、腹部が固くなる症状が出たため調べたところ、左尿管の損傷が見つかった。同病院は、尿管や周囲の筋肉との癒着をはがす際に傷つけたことが原因としている。

男性はいったん、体外へ尿を出すための「腎ろう」を造る手術を受けたが、その後、腎ろうでの生活を望まなかったため、左の腎臓を摘出することになった。

同病院管理課は「同様の手術をする際の術式を変更するとともに、手術前には尿管の位置を確認するための造影CTを全員に行い再発防止に努める」とした。

出典:新潟日報モア

大垣市民病院 医療事故に絡む患者死亡で和解 /岐阜

大垣市は31日、同市民病院での医療事故に絡んで男性患者(当時75歳)が死亡したとして、遺族に1500万円を支払うことで和解したと発表した。7日に開会する9月市議会に損害賠償議案を提出する。

市によると、市内の男性が2012年12月、貧血などを訴え病院を受診。60歳代の男性医師の指示で胃カメラなどの検査をしたところ、早期の胃がんと判明した。しかし、病院側は検査結果を知らせることなく、男性が14年4月に再び病院を受診した際には、がんが胃だけでなく、肝臓に転移しているのが見つかった。手術は不可能だったため、抗がん剤治療をしていたが、男性は昨年9月、胃がんと転移性肝がんのため同病院で死亡した。

この医師は最初に診断した際に、男性のかかりつけ医師に診断結果を伝えると説明していたが、失念していたという。病院では通常、検査結果を知らせるため、患者に再度受診してもらうことにしているが、今回、手続きをしていなかった。病院は今後、受診予約の有無を複数でチェックするよう改善していく。

藤本佳則副院長は「必要な検査を行い、一連の結果を含めた所見を患者に伝えるのは担当医の責任」と陳謝した。【山盛均】

出典:毎日新聞

山鹿市民医療センター 手術後対応ミス、1700万円で和解

山鹿市民医療センターは19日、70代の女性を手術した後の対応に問題があり、左脚の切断を余儀なくされるミスがあったと明らかにした。山鹿市は1700万円を支払うことで女性と和解。3月の市議会で承認後に支払う。

女性は2012年に直腸を切除する手術を受けた際、動脈の一部が傷ついたため縫合したが、2日後に血が流れにくくなっているのが確認された。熊本市の病院に搬送され、切断手術を受けた。センターは搬送が遅れた責任を認めた。

センターの担当者は「患者さまに多大なご苦労をかけたことを深くおわび申し上げる」と話した。

出典:山鹿市民医療センター

胃がん告知ミスで病院側に約6200万円賠償命令 奈良地裁

がんの告知ミスで早期治療の機会を奪われ死亡したとして、奈良県橿原市の男性=当時(53)=の遺族らが社会医療法人健生会「土庫病院」(同県大和高田市)などに約1億4千万円の損害賠償を求めた訴訟の判決が25日、奈良地裁であり、木太伸広裁判長は治療費など計約6200万円の支払いを命じた。

木太裁判長は判決理由で、「ミスがなく適切な治療を受ければ、男性は67歳ごろまで延命できた」と病院側の過失を認めたが、男性が受けた先進治療については「有効性は医学的に裏付けられておらず、必要性は認められない」とし、先進医療の治療費などの請求は退けた。

判決によると男性は平成22年9月、土庫病院での検査で胃がんが判明したが、副院長は胃潰瘍と告知。23年9月に同病院で人間ドックを受けた際に告知ミスが判明し、先進治療も受けたが24年7月に死亡した。

出典:産経WEST

インスリン、麻酔薬と間違え投与 病院「保管態勢ミス」

福岡県久留米市の田主丸中央病院(鬼塚一郎院長)で昨年12月、非常勤医師が糖尿病治療に使うインスリンを麻酔薬と間違え、糖尿病でない患者に注射していたことが分かった。患者は緊急措置を受け、命に別条はなかった。病院は薬品の保管やチェック態勢にミスがあったと謝罪した。

22日記者会見した同病院によると、ミスがあったのは昨年12月11日。皮膚科を受診した30代の女性患者に、医師が局所麻酔剤と誤ってインスリン1ミリリットルを注射。麻酔の効果がないためさらに1ミリリットルを注射し、その後瓶を確認して誤りに気づいたという。

原因を調べたところ、使いかけのインスリン容器が薬剤科に返されずに、冷蔵庫内の局所麻酔薬の棚のそばに一時保管されたため、看護師が取り違えた。さらに、注射器に薬剤を吸引する際に、医師と看護師が薬剤の確認を怠っていた。

注射した量は、糖尿病患者に通常投与する量の数十倍という。女性は寒気などの低血糖の症状を訴え、緊急措置後に数日間入院した。鬼塚院長は「医療機関としてあってはならない事故を起こし、患者様とご家族におわびしたい」と陳謝した。

出典:朝日新聞

愛知・一宮市が医療ミス認める 10歳男児死亡をめぐり和解

愛知県一宮市が運営する一宮市民病院で平成22年、県内在住の男児=当時(10)=が急性虫垂炎の手術後に死亡したことについて、市は23日までに医療過誤を認め、両親に5千万円を支払うことで和解した。

病院によると、男児は22年4月22日、虫垂を切除する緊急手術を受け成功した。しかし手術中に原因不明の大量の腹水が見つかり、2日後の24日朝から嘔吐するようになり、25日に死亡した。

24年、早期に血液検査をして適切な処置を取らなかったとして、両親が市に約7千万円の損害賠償を求め名古屋地裁に提訴。和解に向けた協議の結果、市は、嘔吐が始まった24日朝以降に血液検査をせずに点滴をした過失を認めた。

出典:産経WEST

病院の『医療事故』年間1300~2000人死亡!

千葉県がんセンターで7年前に父親を亡くした渋谷春樹さん(仮名)の自宅の留守電には、手術前日の父の元気な声が残っている。初期の胃がんですぐ退院できると楽観していた。ところが、腹腔鏡手術のあと容態が急変して死亡した。病院は「傷口が開いた」「一定の確率で起こる合併症で仕方がなかった」と説明した。納得するしかなかった。

この3月(2015年)、信じられないニュースを見た。がんセンターではその後も腹腔鏡手術が続けられ、11人の患者が亡くなっていた。いずれも、父の時と同じ消化器外科のチームによるものだった。渋谷さんはいま、「父の死がムダになってほしくない」という。

現場からの指摘「何かおかしい」耳貸さなかった千葉県がんセンター
渋谷さんの死亡を医療チームは「避け難い合併症」「再発防止は困難」で通してきたが、第三者委員会は渋谷さんのケースを医師の技量不足とした。他にも、止血が遅れたなど「何例かは発生を予防できた可能性がある」と断じた。

実は、内部で声をあげていた人がいた。麻酔科の志村福子医師は手術のやり直しが多いことに気付いた。「手術時間は長いし、出血は多いし・・・。それが翌日、翌々日に縫合不全とか出血で戻ってくる」

幹部に訴えたが、組織としてとりあげられなかった。どんな場合に調査するかのルールもなかった。「一例 一例向き合っていれば、そこで終わっていたかもしれない」

調査が行われたのは外部への告発があってからだった。がんセンターはいま調査部門の権限強化や安全スタッフの増員、聞き取りなど、改革に取り組んでいる。ようやくといったところだ。

順天堂医院副院長で天皇の手術も担当した天野篤さんは「麻酔科の医師の訴えに対応しなかった。組織のガバナンスの欠如です。医療安全の文化が欠けて いた。基幹病院ではあってはならないことです」という。

出典:J-CASTテレビウォッチ

県が拠点病院の再指定推薦取り下げ 千葉県がんセンター

腹腔(ふくくう)鏡下手術で患者の死亡が相次ぎ、「都道府県がん診療連携拠点病院」の指定を外れた千葉県がんセンター(千葉市中央区)について、県が新年度からの再指定の推薦を取り下げていたことが1日、分かった。昨年末に発覚した乳がん患者の取り違えによる乳房誤摘出事故を受けたもの。腹腔鏡下手術問題後、同センターは改革案をまとめるなど再指定を目指していた。

同センターでは2008年以降、同手術を受けた患者11人が相次いで死亡。昨年4月、診療報酬加算などの優遇がある都道府県がん診療連携拠点病院の指定を外された。

県の第三者検証委は手術方法の選択などに問題があったなどと最終報告。再発防止へ同センターは改革案をまとめ再指定を目指す一方、県はがん対策審議会の意見を踏まえ、国に推薦することを決めていた。

だが、昨年12月には新たに乳がん患者の検体の取り違え事故が発覚。事態を重視し県はことし1月、推薦を取り下げた。同29日に厚生労働省で開かれた「指定に関する検討会」でも審議項目から漏れた。

県が推薦を取り下げたことで新年度からの再指定はなくなった。さらに、同センターの永田松夫病院長が務めていた「県がん診療連携協議会」の会長職も空席が続くことになる。

全国でがん診療連携拠点病院の指定を受けた病院がないのは本県と、同じく医療事故が相次ぎ指定を取り消された群馬大学がある群馬県だけ。

県健康づくり支援課は「拠点病院の空白を一刻も早く解消したい。がんセンターには事故の再発防止に向けた改革に取り組んでほしい」としている。

出典:千葉日報