抗がん剤死亡、医療過誤は否定【千葉県がんセンター】

千葉県がんセンター(千葉市中央区)で、肝臓がんの男性が抗がん剤などを投与された3日後に死亡した問題で、同センター内に設置された事故調査委員会は15日、会見を開いて調査結果を公表した。遺族から了承を得られなかったとして詳しい経緯などは非公表としたが、関係者によると、調査結果では「医学的に問題はなかった」として、医療過誤の可能性は否定した。

治療は3月16日、50代の男性医師が脚の付け根の血管から患部へ管を通し、抗がん剤などを投与。患者の男性は同19日未明に容体が急変し、同夜死亡した。

同センターをめぐっては、平成20~26年に腹腔鏡下手術を受けた50~80代の男女11人が、手術後約9カ月の間に死亡していたことが発覚。3月の医療に関わった男性医師はこのうち8例を担当していた。この件を含めて調査してきた第三者検証委員会も15日に最終報告書を公表し、医療の選択方法やチーム医療体制に問題があったことなどを指摘した。

会見で同センターは、医療ミスの原因を分析するチームの拡充や、新規・高度な医療を導入する際に開催する審査委員会の新設などで再発防止に取り組むとした。

出典:産経ニュース

大崎市民病院が医療ミス 正常な卵巣を切除

大崎市民病院(宮城県大崎市)でことし3月、右卵巣腫瘍摘出の手術を受けた女性患者の正常な左卵巣も切除する医療ミスがあったことが18日、分かった。病院側は女性に謝罪し、現在、損害賠償などについて協議中という。
同日の市議会全員協議会で報告された。病院によると、女性は県北部の30代後半の既婚者。病院側は「執刀医が両方を切除するものと思い込んだのが原因」と説明。女性は女性ホルモンを補うための通院治療を余儀なくされているという。
女性は昨年12月に別の医療機関で右卵巣腫瘍が見つかり、大崎市民病院で腹腔(ふくくう)鏡手術を受けた。事前に右のみの切除と確認していたが、執刀した婦人科医と助手が両方切除と勘違いし、他のスタッフも気付かなかったという。病院側は「次に控えていた手術が両卵巣の切除だったことなどが、思い違いを招いたようだ」と釈明した。
手術後にカルテの確認でミスが発覚。3月末に病院の医療安全管理委員会が病院側に責任があると判断、当時の病院長と執刀医らが女性と家族に謝罪した。
病院側はその後、今月5日までに「臓器の左右を確認のための声掛けを何度も行う」など5項目の再発防止の留意事項をまとめた。
医療ミスの公表が5カ月後になったことについて、病院側は「再発防止策を決めてから公表することを女性側と合意していたためだ」と説明し、「損害賠償について協議中だが、誠意をもって対応したい」としている。

出典:河北新報

医療事故調査制度 開始2か月 課題話し合う

ことし10月から始まった「医療事故調査制度」の課題などについて話し合うシンポジウムが開かれ、事故として調査するかどうかの判断や、遺族との情報の共有など、医療機関によって制度の運用にばらつきがあることなどが議論されました。
「医療過誤原告の会」が東京・文京区で開いたシンポジウムには、医療関係者や弁護士、遺族らおよそ100人が集まりました。
ことし10月にスタートした「医療事故調査制度」では、患者が死亡する医療事故が起きた場合、すべての医療機関にみずから原因を調査することなどが義務づけられましたが、調査を行うかどうかの判断は医療機関に委ねられています。
シンポジウムでは、ことし10月、富山県内の病院で腹部大動脈りゅうの手術後に亡くなった父親の遺族から、「制度に沿って調査をしてほしい」と病院に訴えても、受け入れてもらえなかったという声が寄せられました。
また、静岡県内の病院でがんの治療で入院中に死亡した68歳の女性の遺族は、「事故調査が行われているが、遺族は医療の知識に乏しいので、情報を共有しながら調査を進めてほしい」と訴えました。
「医療過誤原告の会」の宮脇正和会長は、「制度が始まっておよそ2か月で、医療機関の対応にばらつきがあることが分かってきた。医療がよりよくなるためにも、医療機関はもっと遺族と向き合ってほしい」と話しました。

出典:NHK NEWS WEB

県立がんセンター新潟病院で検査結果見落とす医療事故2件

県立がんセンター新潟病院(新潟市中央区)は26日、がんの疑いがあるとの所見が出された画像検査の結果を医師が見落とし、患者2人の治療が遅れる医療事故が起きたと発表した。病院側は患者や家族に謝罪した。2人とも命に別条はないという。

同病院によると、燕市に住む70代の男性が胃がん手術後の定期検査の結果、肝臓がんの疑いが生じたことから、平成26年10月にPET(陽電子放射断層撮影)やCT(コンピューター断層撮影)などによる検査を受けた。しかし、肝臓がんの所見が書かれた検査結果報告書の確認を主治医が怠り、今年9月の定期検査で見落としが分かった。

このため10月に肝臓がんを切除し、患者は退院した。約11カ月前に2センチ弱だった肝細胞がんの疑いのある腫瘍は、治療が施されなかったため手術時には2センチ強に増大していた。

同病院によると、主治医と検査部門の連携ミスで、検査結果の確認予定日が電子カルテに入力されていなかったのが原因という。

また、10月に検査結果報告書を一斉点検したところ、新潟市に住む60代の女性が27年3月に受けたCT検査でも、別の主治医が腎臓がんの所見が記載されていたCT検査結果報告書を確認せず、約半年間にわたって治療方針が確定しない医療事故を起こしていたことが判明した。

検査を依頼した医師が退職し、確認予定日には後任の主治医が血液検査の結果だけ確認したという。病院側は、引き継ぎが不十分だったとしている。この患者は経過観察となった。

病院内で開いた記者会見で、佐藤信昭院長は「重く受け止めている。未閲覧のチェックシステムはあったが(見落としのない)『完全閲覧』を促すまではいかなかった。再発防止に全力を尽くす」と謝罪した。

同病院では21年12月、がんの所見を見落とされて治療が遅れた男性が亡くなる医療事故が起きている。

出典:産経ニュース

静岡済生会総合病院 CT検査での見落としにより患者死亡 

静岡市駿河区の静岡済生会総合病院で10月、CT検査の結果を研修医が見落とし、静岡市の女性(当時80代)が死亡する医療事故があった。1日、女性の長女(50代)が静岡市葵区の県法律会館で記者会見して、明らかにした。病院は朝日新聞の取材に医療事故があったことを認めている。

長女とともに記者会見した青山雅幸弁護士によると、女性は10月24日午後11時55分ごろ、激しい腹痛を訴え、同病院救急外来を訪れた。CT検査の結果、結腸に穴が開いていて緊急手術が必要な状態だったが、研修医が見落として胃腸炎と診断し、女性を帰宅させた。しかし、腹痛や嘔吐(おうと)が止まらなかった女性は翌朝、再受診。見落としがわかって緊急手術を受けたが、同月26日に死亡した。

遺族は、研修医が常勤医に相談する体制が整っていなかったなどの問題があったとみて、公表に踏み切った。

病院は長女に郵送した文書の中で医療事故を認め、謝罪。朝日新聞の取材に、「今後は外部委員を含めた事故調査委員会を開き、再発防止につとめていく」とコメントした。

出典:朝日新聞

中津川市民病院で69歳死亡。患者遺族と2200万円和解

中津川市民病院(中津川市駒場)は26日、心臓カテーテル治療でミスがあり、今年1月に県内の女性患者(当時69歳)が心破裂を起こして死亡したと発表した。遺族に対し、2200万円の損賠賠償金を支払うことで和解したという。

同病院によると、この女性は他の病院で冠動脈狭窄(きょうさく)の診断を受けて中津川市民病院に入院。今年1月13日、内科の男性医師(48)が、心臓に細長い管を挿入して心臓の状態を調べる心臓カテーテル治療をしたところ、女性は冠動脈解離となり心破裂を起こした。愛知県内の病院に搬送して開胸による止血術を施したが、消化管からの大量出血により同17日に死亡した。

市民病院側は内部の事故調査会を経て「治療管理に注意義務違反があった」と過失を認め、今月25日に遺族と和解した。

病院で記者会見した安藤秀男病院長は「当院による医療ミスであり、深くおわびします」と謝罪。同病院には心臓血管外科の常勤医師がおらず、事故防止対策として、心臓カテーテル治療の際には他院の心臓血管外科医師による援助を受ける基準を作成するという。

出典:毎日新聞

【むつ総合病院】医療ミス2人死亡 カテーテル挿入誤る

青森県むつ市のむつ総合病院は30日、ことし5月と6月に、青森県下北地域に住む女性患者2人にカテーテルを挿入する手術でミスがあり、2人が死亡していたことを明らかにした。
病院によると、5月12日、70代女性の排尿用カテーテルを交換しようとした際、新たに挿入したカテーテルが腎臓を通過し、近くの大静脈に達した。腎臓摘出の緊急手術をしたが、同13日に死亡した。
6月17日には80代女性に首の静脈から人工透析用カテーテルを挿入した際、血液の逆流が確認できずカテーテルを抜いたところ、心肺が停止。その後死亡した。死因は鎖骨下動脈損傷による胸内出血。
2件はそれぞれ泌尿器科の別の医師が担当した。病院側は書面で手術の危険性を患者側に十分説明しなかったことや、カテーテル挿入時に超音波での確認を怠ったことをミスとして認めた。2人の遺族に謝罪し、和解金計約3800万円を支払うことで合意した。
記者会見した佐藤重美院長は「病院側の落ち度で重大な結果を招いた。大変申し訳なく、心からおわびしたい」と陳謝した。

出典:河北新報

国立大評価委員会が群馬大に「最低評価」

国立大学法人評価委員会は2015年11月6日、平成26年度の国立大など計90法人の業務実施状況に関する評価結果を取りまとめました。
その中で、群馬大は相次ぐ医療事故を起したとして、最低評価にあたる「重大な改善事項」を指摘されました。その他のほとんどの大学法人はおおむね順調と認められているとのことです。

群馬大が最低評価となった主な理由は以下の2つです。

  • 複数回の医療事故を引き起こした安全管理体制に欠陥がある。
  • 中期目標「医療福祉の向上」などの取り組みが不十分。

2007~2014年の群馬医大の医療ミスが判明しており、それについて医療安全管理体制の重大な欠陥が認められるとされた。また、「地域医療を担う中核として医療福祉を向上させる」という中期目標に十分に取り組んでいるとは認められないとの判断もされている。

過去の医療事故ならびに、その改善が見られないという姿勢が公に評価される形となっています。

千葉県がんセンターで腹腔鏡手術後に死亡が相次ぐ

千葉県がんセンターで腹腔鏡下手術後の30日以内に患者18人が相次いで死亡していたことがわかった。

腹腔鏡下手術は痛みが少なく傷が目立たないなどとして人気が高まっている最新の医療技術だが、メリットが大きい。しかし、難易度の高い技術であり、医師の技量が大きく問われる。

早期の社会復帰が可能なのもメリットの1つです。通常の場合、4日程度で退院できるため、開腹手術に耐える体力のない高齢者や、体に傷をつけたくない人たちを中心に需要が高まっています。
しっかりした技術と経験を持った医師が行えば、患者側にメリットの大きい手術ではあります。しかし、開腹手術のように患部を触診できないため、ある程度の経験を積んで感覚をつかんでおかないと誤診や事故を起こしやすいことはよく指摘されています。それに、医師が腹腔鏡という手段にこだわり過ぎると、最先端の手術であるにもかかわらず、逆に患者を危険に晒すことにもなりかねます。状況によって開腹手術に切り替えるなど、適切な方法を見極める判断力が必要になってきます。

問題を調査する県の第三者委員会によると、2008~14年に胆管がんなどの手術を受けた50~80代の男女11人が手術当日から約9カ月後の間に死亡しました。
この県の第三者委員会は定期的に開かれており、こちらで調査結果や改善内容が報告されています。

 

松本市立病院で「ホルマリン」を5人に誤投与

長野県松本市立病院で2015年11月17日、健康診断で胃の内視鏡検査を受けた男女計5人に対し、「ホルマリン」を誤って投与したと発表しました。

投与されたのは病理検査で使用する劇物「ホルマリン20%固定液」20mlで、発がん性が指摘される「ホルムアルデヒド]が1.48g含まれていました。それらが、胃内視鏡検査を受診した5人に誤って胃に直接投与されました。本来は胃の蠕動(ぜんどう)を抑制する薬剤「ミントオイル」を投与するはずでした。

5人は県内に住む30~50代の男女で健康への影響は不明とのことです。誤投与された5人のうち3人が胃の炎症で入院しました。今後も、経過観察していくそうです。

今回の医療ミスの原因としては、前日に女性看護師が薬剤を置く場所に誤ってホルマリンを置いており、名前を記したラベルは張られていたが、ともに茶色のプラスチック製容器に入っており、医師や同席した看護師も気が付かずに、容器を取り違えて投与されてしまいました。検査直後に異臭がしたため、医師が誤投与に気付いたもの、時既に遅く、今回の医療事故となってしまいました。

病院は「劇物ホルマリンの管理が不十分だった。ホルムアルデヒドの影響はないとみられるが、5人の健康診断を継続する」と家族に陳謝し、保健所にも報告済みとのことです。

今回の医療事故はやはり、「劇薬」の管理の甘さに原因がまずあると考えられます。また、ミスが重なった形ですので、チェックの体制を、組織ぐるみで取り組んでいく必要があるのではと思います。