三田市民病院で診断ミス 遺族に三百万円支払いへ

 三田市民病院(兵庫県三田市けやき台3)で3年前、市内の男性(当時76)に対する診断ミスがあったとして、三田市は28日、遺族に300万円を支払うと発表した。6月4日に開会する市議会定例会に損害賠償の議案を提出する。

 市によると、男性は2016年8月26日、午前と午後に自宅で転倒してそれぞれ同病院に救急搬送された。当時勤務していた脳神経外科の20代の男性医師が診察し、頭部コンピューター断層撮影(CT)検査の画像から2回とも「異常なし」と診断。男性は帰宅したが、翌日も自宅で倒れ、入院した別の病院で2日後に亡くなった。死因は急性硬膜下血腫だったという。

 翌17年3月、遺族から画像診断のミスを指摘され、三田市民病院が調査したところ、2回目に撮影したCT画像に右硬膜下血腫があったと認められ、5月に遺族に謝罪した。同病院は、診断ミスが男性の死亡に直結したかどうかは不明としたが、過失は免れないと判断した。(山脇未菜美)

出典:神戸新聞NEXT

神戸・西市民病院で死亡の男性 発信機が電池切れ

 神戸市立医療センター西市民病院(長田区)は4日、救急病棟に入院していた県内の40代男性患者が3月に亡くなった際、心電図などのデータをナースステーションのモニターに送る発信機の電池が切れていたと発表し、謝罪した。

 病院によると、男性は昨年11月、頸椎椎間板ヘルニアで入院。その後、誤嚥性肺炎を発症し、人工呼吸器を一時装着したが、2月13日からは自発呼吸で治療を受けていた。

 3月24日午前零時前、看護師が血糖値を測定した際は異常なかったが、約1時間後に別の看護師が同室を訪ねた際、呼吸停止に気付いた。当時同病棟で電池式発信機を使っていたのはこの男性だけで、マニュアルで定める電池の入れ替えもされていなかった。また電池切れを示すアラーム音量を小さくしていたため、同病棟の当直スタッフ4人の誰も気付かなかった。

 外部有識者も含めた「医療事故検討・対策委員会」が5月に開かれ、死因は特定できなかった。

出典:神戸新聞NEXT

医療ミスで九大病院に1.5億円支払い命令

 九州大病院(福岡市東区)で、脳腫瘍の疑いが検査で指摘されていたにもかかわらず、医師が見落として後遺障害を負ったとして、福岡県の30代女性が同病院に慰謝料など約1億9700万円を求めた訴訟の判決が21日、福岡地裁(波多江真史裁判長)であった。波多江裁判長は、見落としと後遺障害との因果関係を認め、同病院に約1億5700万円の支払いを命じた。

 判決によると、女性は2006年8月に食欲不振などを訴えて同病院心療内科を受診。同年10月に入院し、頭部CT検査を受けた。検査で1・6センチの脳腫瘍の疑いが確認され、放射線科の医師が報告書に書き込んだが、心療内科の医師が見落としていた。

 11年11月に自宅で転倒し、同病院の検査で脳腫瘍による水頭症と判明。腫瘍は約6センチに増大しており、見落としから約5年2カ月後の12年1月に摘出手術を受けた。女性は記憶力の低下や、左腕や左足にしびれなどの後遺障害が残り、15年に精神障害者保健福祉手帳を取得した。

 波多江裁判長は「見落としがなければ、定期的な経過観察で脳腫瘍の増大を発見し、早期に手術を受けることができた」とし、見落としによる過失と後遺障害との因果関係を認定。そのうえで逸失利益や将来介護費などから賠償額を算定した。

 判決後、女性の母親は記者会見で「病院には二度とこのようなことがないようにしてほしい」と話した。九州大は「結果として治療が遅れたことは、大変申し訳なく思う。判決文が届き次第、対応を検討したい」とコメントした。【宗岡敬介】

出典:毎日新聞

2019年3月末までに1308件の医療事故

 今年(2019年)3月に医療事故調査・支援センター(以下、センター)に報告された医療事故は24件。2015年10月の医療事故調査制度発足から累計1308件の医療事故が報告され、うち74.5%の974件で院内調査が完了している。センターへの遺族からの相談件数は118件となり、国民全体に制度が浸透しつつある。次のステップとして「制度への正しい理解」に期待が集まる―。

 日本で唯一のセンターである「日本医療安全調査機構」が4月9日に発表した「医療事故調査制度の現況報告(3月)」から、こういった状況が明らかになりました(機構のサイトはこちら)。

2019年3月の医療事故報告件数、外科で6件、内科で4件など

 2015年10月より、すべての医療機関等(病院、診療所、助産所)に対し、院長などの管理者が予期しなかった「医療に起因し、または起因すると疑われる死亡・死産」のすべてをセンターに報告する義務が課せられました【医療事故調査制度】。医療事故の原因を調査・分析して「再発防止策」を構築し、医療現場に広く共有していくことが主目的です。

センターでは重大事故について詳細を分析した結果を、提言にまとめ順次、公表しています(2019年2月までに7つの提言)。
(1)中心静脈穿刺合併症に係る死亡の分析―第1報―
(2)急性肺血栓塞栓症に係る死亡の分析
(3)注射剤によるアナフィラキシーに係る死亡事例の分析
(4)気管切開術後早期の気管切開チューブ逸脱・迷入に係る死亡事例の分析
(5)腹腔鏡下胆嚢摘出術に係る死亡事例の分析
(6)栄養剤投与目的に行われた胃管挿入に係る死亡事例の分析
(7)一般・療養病棟における非侵襲的陽圧換気(NPPV)及び気管切開下陽圧換気(TPPV)に係る死亡事例の分析

 医療事故調査制度の大枠は、次のように整理できます。

▼医療事故の発生を確認した管理者は、速やかにセンターへ事故発生の旨を報告する

▼事故が発生した医療機関が自ら事故原因を調査【院内調査】し、調査結果をセンターに報告する

▼当該医療機関は、調査結果に基づいて事故の内容や原因を遺族に説明する(調査結果報告書の提示までは義務付けられていない)

▼センターが事故事例を集積、分析し具体的な再発防止策などを練る

医療事故調査制度の概要、「院内調査」を第一に行い、「医療事故調査・支援センター」がそれを補完する格好で調査が行われ、再発防止策に結びつける
医療事故調査制度の概要、「院内調査」を第一に行い、「医療事故調査・支援センター」がそれを補完する格好で調査が行われ、再発防止策に結びつける

 我が国唯一のセンターに指定されている日本医療安全調査機構は、毎月、医療事故報告の状況を迅速に公表。今年(2019年)3月には、新たに24件の医療事故が報告され、制度発足からの累計報告件数は1308件となりました。

 今年(2019年)3月に新たに報告された事故は、▼病院から23件▼診療所から1件―でした。制度発足からの累計では、病院から1232件(事故全体の94.2%)、診療所から76件(同5.8%)となっています。

医療事故の現況(2019年3月)1 190409

 今年(2019年)3月に新たに報告された事故を診療科別に見ると、▼外科6件▼内科4件▼小児科3件▼脳神経外科2件―などで多くなっています。制度発足からの累計を見てみると、▼外科222件(同17.0%)▼内科162件(同12.4%)▼消化器科108件(同8.3%)▼整形外科105件(同8.0%)―などという状況です。

センターへの相談件数は累計6745件、国民に制度が浸透し、次ステップは制度への理解

 センターに報告しなければならない医療事故は、医療機関内で生じたすべての死亡・死産事例ではありません。上述のように、死亡・死産事例のうち「院長などの管理者が▼予期せず▼医療に起因し、または起因すると疑われる—もの」に限定されます。火災などに巻き込まれ瀕死の状態で救急搬送された患者が、適切な治療を施したにも関わらず死亡してしまった場合には、一般に「死亡が予期」され、そもそも医療事故に該当しないと考えられるため、センターへの報告は必要ありません。もっとも、そうした患者であっても、明らかな処置上のミスなどで通常の過程とは異なるプロセスで死亡した場合には、「予期しなかった」ものとしてセンターへの報告が必要となってきます。

 医療現場では「患者が死亡したが、報告すべき医療事故に該当するのか?」「初めて事故を報告するが、センターへどのように報告すればよいのか?」との疑問が生じることでしょう。また遺族側には「家族が医療機関で死亡したが、医療事故として報告されていない。事故を隠蔽しようとしているのか?」との疑念をもつ方もいらっしゃるでしょう。

 こうした疑問・疑念を放置することは、制度の信頼失墜に繋がりかねないため、センターでは相談対応を行っています。今年(2019年)3月には、新たに190件の相談がセンターに寄せられました。制度発足からの累計では6745件にのぼっています。

 今年(2019年)3月に寄せられた新たな相談の内訳は、▼医療機関から62件▼遺族などから118件▼その他・不明10件―でした。

 医療機関からの相談内容を見てみると、最も多いのは「報告の手続き」に関するもので36件(医療機関からの相談の46.8%)。次いで「報告すべき医療事故か否かの判断」16件(同20.8%)、「院内調査に関するもの」14件(同18.2%)となっています。

医療事故の現況(2019年3月)2 190409

 一方、遺族などからの相談内容では、「医療事故に該当するか否かの判断」が80件(遺族などからの相談の63.5%)にのぼっています。ただし、こうした該当性に関する相談の中には「制度開始前の事例」「生存事例」など、そもそも報告対象とならないものも含まれています。相談件数の増加に鑑みれば、「制度の浸透そのものは進んできている」と見ることができるかもしれません。次のステップとして「正しい理解」に期待が集まります。

センターへの調査依頼は新たに2件、88件の依頼中18件でセンター調査が完了

 医療事故調査制度の目的は「再発防止」にあります。再発防止のためには、事故が生じた医療機関等自らが調査を行い、自院の体制や手続き・ルールなどに問題がなかったかを検証する過程で「院内の課題」を発見し、そこから防止策構築に繋げることが重要と考えられ、「まず事故が発生した医療機関が、自ら原因究明に向けた調査【院内調査】を行う」ことが求められます。

医療事故の現況(2019年3月)3 190409

 今年(2019年)3月に新たに院内調査が完了した事例は25件で、制度発足からの累計では974件となりました。これまでに報告された全1308件の医療事故のうち74.5%(前月から0.6%増加)で院内調査が完了しています。院内調査のスピードが再び速まっている可能性があります。

 
 なお、遺族側には「院内調査の結果に納得できない」「院内調査が遅い。何かを隠しているのではないか」との思いも生じることでしょう。一方で、診療所や助産所など小規模施設では「自前で院内調査を実施することが難しい」ケースもあると思われます(医師会や病院団体などの支援団体によるサポート体制あり)。

 そこでセンターでは、「遺族や医療機関等からの調査依頼を受け付ける」体制を整備。ここでは、「センターが1から調査する」のではなく、「院内調査が時期・内容ともに適切に実施されたのか」という観点での調査が中心となります。

 今年(2019年)3月に、センターになされた調査依頼は2件で、いずれも遺族からでした。制度発足からの累計調査依頼件数は88件(遺族から71件・80.7%、医療機関から17件・19.3%)です。センター調査の進捗状況を見てみると、▼調査終了が18件(前月から2件増)▼院内調査結果報告書の検証中(院内調査が適切に行われたかどうかを確認)が65件▼院内調査結果報告書検証準備作業中が1件▼医療機関における院内調査の終了待ちが4件—という状況です。

出典: メディ・ウォッチ

肺手術ミスで死亡 新小倉病院側が和解

 北九州市小倉北区の新小倉病院で肺の手術を受けた男性(当時23)=福岡県行橋市=が死亡し、両親が病院を運営する国家公務員共済組合連合会に損害賠償を求めた訴訟が26日、福岡地裁小倉支部で和解した。両親の代理人弁護士によると、病院側がミスを認め、和解金として数千万円を支払う。

 訴状によると、男性は高校生の頃から肺気胸を繰り返し、2014年2月に同病院で左の肺の一部を摘出する手術を受け、直後に出血性ショックで死亡。両親は、不適切な処置で出血を引き起こすなどして死亡させたとして、16年10月に慰謝料など約1億円余りの支払いを求めて提訴した。病院側と面談した際、過失を認めなかったため訴訟に踏み切ったという。

 地裁小倉支部は今年1月、死因となった大量出血について、医師が手術器具を使う際に注意を怠り、肺から心臓にかけての血管を傷つけたことが原因と認定。和解を提案していた。

 両親は代理人を通じて「手術のあと、正直に認めて謝罪してほしかった。息子には今も帰って来てほしいが、かなわないなら病院を信じている患者たちにきちんと向き合って診療してほしい」とコメントした。

 病院側は注意を怠ったことを認め、渋谷恒文院長が「ご本人及びご遺族に改めて深くおわび申し上げるとともに、今回の事故を教訓として一層、医療安全に取り組み、今後も地域医療に貢献して参る所存です」とのコメントを出した。(新屋絵理)

出典: 朝日新聞デジタル

青森県立中央病院「医療器具使用ミス」で死亡と提訴

 青森県立中央病院(青森市)で2017年10月、下北地方の70代男性が気胸となり容体が急激に悪化して死亡したのは医師が医療器具の使用を誤ったからだとして、男性の長男が8日までに、病院の医師2人と県に1200万円の損害賠償を求める訴えを青森地裁に起こした。
 訴状によると、男性は肺の細胞が硬化する「特発性肺線維症」が悪化した疑いで17年9月に入院。数日後にたんが絡んだため気管切開を受けた際、たんを吸引するチューブを挿入するためのガイドワイヤが右肺に当たり、気胸となった。男性は容体が急変して約10日後に死亡した。
 遺族側は、ワイヤによる処置に当たった初期研修医と指導医が、器具使用時の注意事項を守らなかったため死亡したと主張している。
 同病院は「患者の冥福を祈るとともにご家族には心よりお悔やみ申し上げる。訴えの内容はわれわれの認識と異なると考えている」としている。

出典: 河北新報

検査確認ミス、患者死亡=がん発覚遅れ-富山大病院

富山大学付属病院(富山市、林篤志院長)は16日、がんの手術を受けた患者の検査結果の確認不足により、新たながんの発覚が遅れるミスがあったと発表した。患者はその後、新たながんが進行して死亡した。
 同病院によると、患者は泌尿器科でがんの手術を受け、定期的な検査を受けていた。昨年春に実施したコンピューター断層撮影(CT)検査で、放射線科の医師が新たながんの可能性を電子報告書に記載したが、泌尿器科の担当医はそれに気づかず、専門の診療科に紹介するなどの手続きを行わなかった。
 数カ月後、検査で指摘されていた新たながんが進行した状態で発見され、患者は治療を続けたが今年春、新たながんのため亡くなったという。

出典: JIJI.COM

手術で心臓を損傷、患者死亡 京大病院、医療事故を公表

 京都大学病院は26日、心臓の手術を受けた60代後半の女性患者が死亡する医療事故があったと発表した。手術中に使用したカテーテルを引き抜く際に心臓を損傷し、意識が回復しないまま4カ月後に亡くなったという。

 京大病院によると、患者は大動脈弁狭窄(きょうさく)症で今年6月、人工の弁に置き換える手術を実施した。心臓の機能を詳しく確認するため、首の辺りから肺動脈まで届くカテーテルを入れて手術を開始。人工心肺につなぎ、弁を置き換えた。手術後にカテーテルを動かしたところ、体内で多量に出血。すぐに開胸する手術をしたが、心臓が大きく傷ついていたという。

 京大病院は調査委員会を設置。調査委は、手術で心臓に入れた別の管を縫合した際に肺動脈カテーテルも一緒に縫い込んでしまったと推定。一方で、「縫い込みに気付くのは難しい。類似例の発生防止のためにルールが必要」とした。

 稲垣暢也(のぶや)病院長は「肺動脈カテーテルの使用に関するルールに不十分な点があり、患者さんがお亡くなりになられたことを大変重く受け止めている。患者さんのご家族に深くおわび申し上げます」と話した。また、「当時の医師の判断に過ちがあったかについて、そこまでは申し上げられない」と述べた。(後藤一也、合田禄)

出典: 朝日新聞デジタル

医療ミスで1千万円支払いへ 入院中の80代男性死亡

 大分県国東市の市民病院で2017年7月、治療を受けた同市内の80代男性が、医療ミスが原因で死亡していたことが4日、わかった。病院側はミスを認め、遺族に和解金や損害賠償金として1千万円を支払う議案を11日開会の市議会に提案する。

 病院によると、男性は尿路感染症や脱水症の疑いで17年7月19日に入院。21日午前11時ごろ、治療のため30代医師が静脈に点滴用カテーテルを挿入したところ、左肺に気胸を起こして呼吸不全や循環不全となり、意識が戻らないまま同日午後4時ごろに死亡した。カテーテルの針の先が静脈を突き破って、肺に達したとみられる。

 遺族が同年7月、「医療事故調査委員会にかけて」と要請。病院側は翌月に委員会を設置し、医療事故調査・支援センター(東京)へも届けた。17年8月28日~18年8月2日に計5回、大分大医学部の平松和史・医療安全管理部教授ら病院外部を含む12人と原因や再発防止策を調査。病院は医療ミスを認め、野辺靖基・市民病院事業管理者兼院長は昨年末に遺族に謝罪した。和解金は市民病院事業特別会計から支払われる。(加藤勝利)

出典:朝日新聞デジタル

「医療事故調査、適正な運用を」 広尾病院事故20年

東京都立広尾病院(東京・渋谷)の点滴誤投与事故から11日で20年。事故ではミスの疑いを十分に調査しない病院の対応が明らかになり、医療事故調査制度が発足するきっかけとなった。だが創設3年が過ぎても医療機関側の届け出は低迷、遺族との対立も続く。広尾病院で妻を失った男性は「せっかくできた制度。適正に運用できるようにしてほしい」と求める。

都立広尾病院事故から20年を検証するシンポジウムで事故調査制度の課題を指摘する永井裕之さん(10日、東京・文京)

都立広尾病院事故から20年を検証するシンポジウムで事故調査制度の課題を指摘する永井裕之さん(10日、東京・文京)

「医療事故は他人事ではない」。20年前の事故で妻の悦子さん(当時58)を突然失った永井裕之さん(78)は10日、都内で開かれた集会で約150人の参加者に訴えた。

悦子さんは左手中指関節の手術を受けた翌日の点滴で容体が急変、死亡した。看護師が誤って消毒液を投与したためだった。院長は「誤投与の疑いが強い」と認めながら、約1週間後に「断定できない」と態度を変え、十分に調査せず警察へも届け出なかった。

永井さんが不信感を強める中、3月に事故隠しの疑いが報じられた。1月には横浜市立大病院で患者取り違え事故が起きており、1999年は対策が本格化する”医療安全元年”となった。

「原因を調査し、再発防止につなげる組織が必要」。永井さんら遺族などを医学会も後押しして2015年10月に医療事故調査制度が創設された。だが医療事故調査・支援センター(東京・港)への医療機関の届け出件数は年400件弱のみ。当初は年1300~2000件とみられた。

都立広尾病院事故から20年を検証するシンポジウムで事故当時を振り返る永井裕之さん(右)(10日、東京・文京)

都立広尾病院事故から20年を検証するシンポジウムで事故当時を振り返る永井裕之さん(右)(10日、東京・文京)

10日の集会で永井さんは「小さく生んで大きく育てるつもりだったが、小さいままだ」と指摘。予期せず死亡した患者の遺族から「医療機関は『合併症』としてミスを否定して届け出ない」という声が後を絶たない。

永井さんは「交通事故は約20年で半分以下に減ったが、医療事故はいまだ何件起きているのか分からない」と嘆く。現在はセンターへの事故調査の届け出は医療機関のみ。永井さんは「センターが遺族の相談から医療機関に調査開始を指導するなど制度を見直す必要がある」と要望している。

出典:日本経済新聞